人気の「飛ばせ!手作りロケット」は入門書ですが、本書「手作りロケット完全マニュアル」は中級編に相当するものです。2007年に誠文堂新光社から発行され、現在は絶版となっています。本書は、モデルロケットを手作りで作成し、実際に打ち上げるためのノウハウが満載です。モデルロケットとはなにか?知らない方も多いと思いますが、ウィキペディアには以下の説明があります。
モデルロケットは、教育用などを主な目的として使用されている、比較的小型のロケットである。ロケットエンジンは火薬(黒色火薬、コンポジット推進薬)を使用する固体ロケットで、エンジンはモジュール化設計で大量生産されており、小型のものは使い捨て、中型以上のものは推進薬がリローダブルとなっている。その他の構成要素はプラスチックなど主に非金属で作られることが多く、回収装置を備え複数回利用可能な設計とする。到達高度は高度数数百mから数キロmのものが多いが、大型のロケットとなれば高度数十kmに達するものもある。
この本では、冒頭数ページがカラー写真で、本編は、写真が少なく解説が多い構成となっていいて、マニア向けのノウハウ解説本となっています。
上の写真は、ボストークの精巧なモデルです。なかなか本格的ですね。とても手作りとは思えません。
モデルロケットに必要なものが簡単なイラストで紹介されていました。
構成は、
- モデルロケット最新事情
- ロケット教室の具体例
- 実践ハイパワーロケット
- 発射場でTips
- ロケット航空力学
- モデルロケットと法令
- モデルロケット推進原理
- モデルロケット空気力学
- モデルロケットの基本的設計計算例
- モデルロケットの設計と製作
- 周辺装置
- ランチサイト
- アドバンスドTips
- ロケットグライダーTips
- ローターロックTips
- モデルロケットソフトウェアTips
- 教育教材としてのモデルロケット
- ライセンスについて
- モデルロケットFAQ
- 用語解説
からなり、まさにモデルロケットのノウハウをすべて吐き出しています。
モデルロケットにはライセンスが必要なんですね。小型とはいえ、冒頭のボストークは1Mもあり、これが飛んで行くのですから安全に配慮するためのラインセンス制度は納得です。ライセンスは、この本を監修した、日本モデルロケット協会が発行しています。
この本には、ロケット航空力学やソフトウェアの解説まであるのには驚きました。
以下は第26回モデルロケット全国大会デモンストレーションの模様です。
けっこう本格的でびっくりしました。