大学時代に使っていた本を処分したいとのことで、横浜の港南区まで出張買取りに行ってきました。本は哲学書、思想書が中心でその他、珍しいバンドスコアがありました。本は2000年前後の発行のものが多かったのですが、哲学書は、古くても価値があるものが多くあります。
知覚の現象学
1967、1974年にみすず書房から発行された、知覚の現象学1,2です。現在でも新刊として売られている、現象学の定番本ですね。みすず書房の紹介ページでは、
本書はフランス・レジスタンス運動のなかから生まれた知的記念碑の最大のものの一つであり、パリ解放後1945年に公刊、戦後思想の根底に深い影響力を与え、さらに現在及び未来にたいする力強い放射力は測りがたいものがある。メルロ=ポンティにとって、生きられ、経験された世界にふさわしい記述は、西欧の二大思想潮流である経験主義でも主知主義でも与えることができなかったものである。経験主義は、著者によれば、哲学における原子として、心理学における行動主義として現われた。主知主義は著者においては、哲学上の観念論、心理学における内省主義であった。
と紹介されています。
見えるものと見えないもの
1989年にみすず書房から発行された、ポンティ著の思想書です。上の知覚の現象学も同じ作者の本ですが、この本とセットで読まれる場合が多いですね。ポンティはこの、見えるものと見えないものを書き上げたわけではなく、未完の草稿と、研究ノートからまとめられたものです。この本の新版では、研究ノートが追加され、新装版として2017年に発行されました。本文のみで良い場合は、こちらの旧版が古本で手に入ります。
著者のポンティについては、ウィキペディアに以下の説明があります。
フランスのロシュフォール生まれの哲学者。主に現象学の発展に尽くした。パリの自宅で執筆中、心臓麻痺のため死去。著書の日本語訳等においては、「モーリス・メルロ=ポンティ」、「モーリス・メルロ・ポンティ」など、Merleauに長音記号を付けない表記が多く用いられている。
監獄の誕生
1977年に新潮社から発行された、監獄の誕生です。監獄は今日、いかにして生まれ、現在に至ったか詳しく書かれています。冒頭には残酷な処刑方法についての記述があります。ミシェル・フーコー 著の有名な本ですね。現在でも新刊本として売られています。