前回2年ほど前の年末にご依頼いただいた、横浜の港南区のお客様から出張買取りの依頼がありました。お客様は、お年を召されていますが、現役で弁護士をされています。ただ、今年で引退されるとのことで、蔵書約1000冊を何回かに分けてお売りいただくことになりました。今回は、その1回めの買取りで約300冊ほど買取りしました。本は、哲学書、思想書、社会・政治を中心に難しい本が多くありました。
ある思想史家の回想
1993年にみすず書房から発行され「ある思想史家の回想」です。ある思想史家とは、アイザィア・バーリンのことですが、著者のジャハンベグローによるインタビューが記載されています。自伝的というように、バーリンの生い立ちから生活まで詳細に記述されています。バーリンについては、ウィキペディアによると、
イギリスの哲学者。オックスフォード大学教授。当時ロシア帝国の支配下だったラトビア・リガ出身のユダヤ人。
彼の有名なエッセイである「自由論」では、自由という概念を積極的自由(positive liberty)と消極的自由(negative liberty)に分け、自由という概念における議論に多大なる影響を及ぼした。
と説明されています。バーリンは、著書も多くあり、本書は、バーリンの入門書として最適です。
ヒトラー 権力の本質
1999年に白水社から発行された、「ヒトラー 権力の本質」です。この本では、政界、財界、協会などの伝統的なエリート層がなぜヒトラーを受け入れ、民衆はそれをどのようにうけとめたのか、第三帝国における権力構造を読み解く本です。ヒトラーがどのようにしてカリスマとなったのか興味深く読むことが出来ます。
続 一海知義の漢詩道場
2008年に岩波書店から発行された「続 一海知義の漢詩道場」です。漢詩を理解し読み解くためのコツが書かれています。著者の一海 知義氏は、漢詩に関する本をたくさん出しています。当店では、よく扱う本の部類に入ります。ウィキペディアの説明では、あまり詳しく記述されていませんが、下記のように紹介されています。
一海 知義(いっかい ともよし、1929年5月15日 - 2015年11月15日)は、中国文学者、神戸大学名誉教授、河上肇研究で著名。九条の会賛同者。
一海 知義氏は2015年に亡くなられています。